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社会

新紙幣一万円札の肖像 渋沢栄一ってどんな人?関わった会社や名言集

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この度、新元号【令和】にともなってか、2004年以来となる10000円札などの紙幣の肖像画が変更されることになりました。
一万円札が渋沢栄一、五千円札が津田梅子、千円札が北里柴三郎に変更されます。

中でも壱万円札の肖像が変更されるのは聖徳太子から福沢諭吉に変わった1984年以来となります。

今回新しく一万円札の顔になる『渋沢栄一』について詳しく紹介していきます。

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新紙幣の肖像『渋沢栄一』ってどんな人?

渋沢栄一の銅像

新紙幣の肖像となる渋沢栄一は『銀行の神様』『日本資本主義の父』とも呼ばれた実業家です。

日本銀行の近くにある常盤橋公園には渋沢栄一の銅像が建てられています。
台座の高い大きな銅像です。

渋沢栄一の略歴

幼少期

1840年(天保11)2月3日、現在の埼玉県深谷市血洗島の大農家に長男として生まれます。

渋沢家は一般的な農家とは違い、原料の買い入れと販売の両方を担う豪農でした。
染料である藍玉の製造販売と養蚕を営みながら、米や麦、野菜の生産も手がけていたので農家でありながら商業的な才覚も必要とされました。

幼い頃から信州や上州まで父と一緒に遠くまで藍玉を売り歩いたり、藍葉を仕入れる作業を行っていた栄一は、少年時代から単身で藍葉の仕入れに出かけるようになります。
その際には既に現実的な商業才覚を見せたと言われています。

五歳から読書を教わり、七歳には四書五経や日本外史を学びます。
また「日本の製紙王」と呼ばれた大川 平三郎の祖父であり、剣術師範の大川平兵衛から神道無念流の剣術を学びます。

結婚、尊皇攘夷派の志士へ

1858年、19歳で従兄にあたる尾高敦忠(富岡製糸場の初代場長・第一国立銀行仙台支店支配人)の妹・尾高千代と結婚します。
そして名前を栄一郎と改名します。
結婚して3年後、江戸へと出て、幕末の儒学者「海保漁村」の門下生となります。
また坂本龍馬などが学んだことでも有名な「北辰一刀流」の千葉栄次郎道場に入門し、そこで勤皇の志士と交友を結び尊皇攘夷の思想を持ちます。

尊皇攘夷の志士から徳川慶喜の家臣へ

20代前半、1863年には尊皇攘夷の思想を持ち倒幕への計画を企てたますが、従兄である尾高敦忠の弟、尾高長七郎の懸命な説得によって中止します。
その後、京都へと向かった渋沢はかつて江戸での勉学で知り合った一橋家の家臣、平岡 円四郎の勧めで一橋慶喜に仕えることになります。
数年後1866年に慶喜が将軍になったことに伴い幕臣になります。

そして将軍の名代として慶喜の弟と共に御勘定格陸軍付調役の肩書きでパリの万国博覧会へ行くためフランスへ渡航します。
ヨーロッパ各国を周り、先進的な産業・軍備にふれ、その社会に感銘を受けます。フランス滞在中には「御勘定格陸軍付調役」から「外国奉行支配調役」になり、その後「開成所奉行支配調役」となります
ちなみに、ヨーロッパ在中、栄一に語学を教えたのはあのシーボルトの息子のアレクサンダーです。アレクサンダーはのちに渋沢が明治政府で働く際、「日本赤十字社」設立などで度々協力するようになります。

大蔵省入省~実業家

大政奉還に伴い帰国し、フランスで学んだ”株式会社制度”を実践するため、また新政府からの拝借金返済のために「商法会所」を設立しますが、すぐのちに大蔵省へと入省します。
この時、渋沢に入省を説得したのが大隈重信です。

「度量衡の制定」、「国立銀行条例などの成立」に寄与しますが、予算編成の際に大久保利通や大隈重信と対立し退官します。
退官後に、第一国立銀行(現 みずほ銀行)の頭取に就任した渋沢栄一は七十七国立銀行など、他にも多くの国立銀行設立に尽力します。

新紙幣の一万円札の肖像に採用

渋沢栄一は初代の紙幣頭、後の印刷局長として、また日本の歴史において重要な経済人として紙幣の肖像の候補として何度も選ばれてきました。
1963年に発行が開始された日本銀行券C千円券では最終選考にまで残りましたが結局採用されずに伊藤博文になりました。
今回新紙幣の肖像に採用される事が決まった渋沢栄一ですが。執行予定はまだまだ先の2024年上半期に予定されています。

新紙幣 渋沢栄一が関わった会社は?

渋沢栄一のイラスト

多くの国立銀行の設立に関わっている渋沢栄一ですが、他にもたくさんの会社の設立に関わっています。
渋沢栄一が関わった会社は生涯で約500、そして同時に約600の社会公共事業に尽力したと言われています。

またその後身会社や団体なども含めると1000を超えるものになります。

中には今でもみなさんの知っている会社や団体もたくさんあるでしょう。

その一部をご紹介します。

<銀行>

渋沢栄一が直接関わった会社名・団体名 現在の会社名・団体名
第一国立銀行・(株)第一銀行 (株)みずほ銀行
第二十国立銀行・(株)二十銀行
(株)日本勧業銀行
日本興業銀行
(私盟会社)三井銀行・(株)十五銀行 後身会社を経て一部

(株)三井住友銀行

第三十二国立銀行・
日本銀行 日本銀行

<損害保険>

東京海上保険会社・東京海上保険(株)・東京海上火災保険(株) 東京海上日動火災保険(株)
火災保険会・明治火災保険(株)
東邦火災保険(株)
日本傷害保険(株)
第一火災海上再保険(株) (株)損害保険ジャパン
東明火災海上保険(株) 日新火災海上保険(株)
明鏡保険(株)・扶桑海上保険(株) 三井住友海上火災保険(株)

<商工業>

抄紙会社・製紙会社・王子製紙(株) 王子製紙(株)

日本製紙(株)

樺太興業(株)・中央製紙(株)・木曾興業(株)
四日市製紙会社・四日市製紙(株)

<蚕糸絹織業・綿業>

「官営」富岡製糸場・郡山絹糸紡績(株)  片倉工業(株)・日東紡績(株)
東京綿商社・鐘淵紡績会社・鐘淵紡績(株) カネボウ株 ※現在は解散
紡績組合・大阪紡績会社・大阪紡績(株) 東洋紡績(株)
三重紡績会社。三重紡績(株)

<製革業>

依田西村組・桜組・(資)桜組 日本皮革(株)を経て(株)ニッピ
日本熟皮会社・塾皮(株) 後身会社を経て(株)リーガルコーポレーション

<麦酒醸造業>

ジャパン・ブリュワリー・コンパニー・リミテッド 麒麟麦酒(株)(キリンビール)
札幌麦酒会社・札幌麦酒(株)・大日本麦酒(株) 後身会社として

サッポロビール(株)

アサヒビール(株)

<鉄鋼>

東洋製鉄(株)・富士精工(株)・九州成功(株) 後身会社として 新日本製鐵(株)

<造船業>

石川島平野造船所・石川島造船所・(株)東京石川島造船所 後身会社として (株)IHI
(株)石川島飛行機製作所 後身会社として 立飛企業(株) など

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<電力>

東京電灯会社・大日本有限責任東京電灯会社 後身会社を経て 北海道電力(株)

東北電力(株)・東京電力(株)

北陸電力(株)・中国電力(株)

中部電力(株)・関西電力(株)

四国電力(株)・九州電力(株)

東京電灯会社・東京水力電気(株)・東京電力(株)
猪苗代水力電気(株)・武蔵水田(株)
広島水力電気(株)・広島呉電力(株)・広島電機(株)
名古屋電力(株)

<建設>

清水屋(清水組)・(資)清水組 後身会社として 清水建設(株)
日本土木会社 後身会社として 大日本建設(株)

<ガス>

東京会議所瓦斯掛(瓦斯課)・東京瓦斯局 東京瓦斯(株) 「東京ガス」
東京瓦斯会社・東京瓦斯(株)
大阪瓦斯(株) 大阪瓦斯(株) 「大阪ガス」
北海道瓦斯(株) 北海道瓦斯(株) 「北海道ガス」

<取引所>

中外商工会社・東京蠣殻町米商会所 後に

(株)東京穀物商品取引所

東京兜町米商会所・東京米商会所
東京商品取引所・東京銀塊取引所・東京米穀商品取引所
(株)東京株式取引所 後身会社を経て

(株)東京証券取引所

(株)大阪株式取引所 後身会社を経て

(株)大阪証券取引所

<倉庫業>

澁澤倉庫部(匿)・澁澤倉庫部・澁澤倉庫(株) 澁澤倉庫(株)
王子倉庫(株) 王子倉庫(株)
東海倉庫 後身会社として 東陽倉庫(株)

<ホテル>

東京ホテル・帝国ホテル会社・帝国ホテル(株)・(株)帝国ホテル (株)帝国ホテル
常磐ホテル 後身会社を経て (株)京都ホテル

<印刷業・電気機器製造業>

秀英舎・東京印刷(株) 後身会社として 大日本印刷(株)
(資)沖商会・沖電気(株) 後身会社として 沖電気工業(株)
東洋電機(株) 東洋電機製造(株)

<卸小売業・サービス業>

(株)三越呉服店 後に (株)三越
(名)中井商店・(株)中井商店 後身会社を経て 日本紙パルプ商事(株)
東京建物(株) 東京建物(株)
東京水道会社 後に市営化
帝国劇場(株)・(株)東京会館 後に 東宝(株) (株)東京会館

<経済団体>

東京商業会議所 のちに (特)東京商工会議所
商工会議所聯合会 のちに (特)日本商工会議所
国産奨励会・(財)国産奨励会・(財)日本産業組合 (財)日本産業組合
(社)日本工業倶楽部 (社)日本工業倶楽部
大日本米穀会 後に (社)日本食糧協会
日本経済聯盟会 解散した後 (社)日本経済団体連合会

<保健・医療>

博愛社・日本赤十字社・(社)日本赤十字社 後に 日本赤十字社
東京慈恵医院・(社)東京慈恵会 後に (公社)東京慈恵会
聖路加病院・聖路加国際病院 後に 聖路加国際病院

<労資協調>

(財)協調会 解散した後 東京文化アカデミー ※廃校

<国際親善>

日印協会 後身会社を経て (公財)日印協会
東亜同文会・(財)東亜同文会 解散した後、後身会社を経て (一財)霞山会
(財)日仏会館 (公財)日仏会館
(社)国際聯盟協会 後身会社を経て (公財)日本国際連合協会

<実業教育>

商法講習所・東京商業学校・高等商業学校 後身を経て

(国)一橋大学

東京高等商業学校・東京商科大学
如水会・(社)如水会 (一社)如水会
工手学校・工学院 後身として (学)工学院大学
東京大学 東京大学
大倉商業学校・大倉高等商業学校 後身を経て (学)東京経済大学
女子教育奨励会・東京女学院・(財)東京女学院 後身として (学)東京女学院
日本女子大学校・(財)日本女子大学校 (学)日本女子大学
早稲田大学 後身として (学)早稲田大学

<新聞・通信・放送>

中外物価新報局・(匿)商況社 後身会社として (株)日本経済新聞社
中外商業新報社・(株)中外商業新報社
日報社 後身会社を経て (株)毎日新聞社
(資)国際通信社・国際通信(株) 解散ののち 後身会社として

(一社)共同通信社

(株)時事通信社

日本広告(株)・(株)日本電報通信社 後身会社として (株)電通
(社)日本放送協会 解散ののち後身として (特)日本放送協会

<各種団体>

日本倶楽部・(社)日本倶楽部 後身として (一社)日本倶楽部
埼玉県人会 後身として (一財)埼玉県人会

 

ここに挙げたのは渋沢栄一が関わった会社や団体の一部に過ぎません。他にもたくさんの会社や団体の設立に渋沢栄一は関わっています。
まさに「銀行の神様」「日本資本主義の父」と言えるでしょう。

 

渋沢栄一が残した名言集

◆「マネをする時には、その形ではなく、その心を真似するのがよい」

 

◆「事業には信用が第一である。世間の信用を得るには、世間を信用することだ。個人も同じである。自分が相手を疑いながら、自分を信用せよとは虫のいい話だ」

 

◆「個人の富はすなわち国家の富である」

 

◆「最も重んずべきは信である。信を守らなければたちまち失敗す」

 

◆「長所を発揮するように努力すれば、短所は自然に消滅する」

 

◆「男はいかに丸くとも角を持たねばならぬ」

 

◆「大金持ちになるよりも社会万民の利益をはかるために生きる方が有意義である」

 

◆「不言実行と共に、有言実行も大いによろしい」

 

◆「できるだけ多くの人にできるだけ多くの幸福を与えるように行動するが我々の義務である」

 

◆「夢なき者は理想なし、理想なき者は信念なし、信念なき者は計画なし、計画なき者は実行なし、実行なき者は成果なし、成果なき者は幸福なし、ゆえに幸福を求むる者は夢なかるべからず」

 

◆「言葉は真心を込め、行いは慎み深く、事を取りさばき、人に接するには必ず誠意をもって臨め」

 

◆「もうこれで満足だという時は、すなわち衰える時である」

 

◆「死ぬときに残す教訓が大事なのではなく生きている時の行動が大事なのだ」

 

◆「論語と算盤とは一致しなければならない」

 

◆「大なる立志と小ある立志と矛盾するようなことがあってはならぬ」

 

◆「一人ひとりに天の使命があり、その天命を楽しんで生きることが、処世上の第一要件である」

 

◆「事を成し、物に接するには、必ず『満身の精神』をもってせよ。些細なことであっても、いい加減に扱ってはならない」

 

他にも数々の名言を渋沢栄一は残しています。
そして、現代経営学の発明者といわれているピーター・ドラッカーは渋沢栄一について「率直に言って私は経営の『社会的責任』について論じた歴史的人物の中で、かの偉大な明治を築いた偉大な人物の一人である渋沢栄一の右に出る者を知らない。彼は世界の誰よりも早く、経営の本質は『責任』に他ならないということを見抜いていたのである」と語っています。

 

「新紙幣一万円札の肖像 渋沢栄一ってどんな人?関わった会社や名言集」のまとめ

今まで何度も新紙幣の肖像として候補にあがっていた渋沢栄一。
今回、新紙幣の発行に伴いようやく一万円札の肖像となることになりました。
「銀行の神様」、「日本資本主義の父」と言われた渋沢栄一について色々と紹介してきましたが、現在もたくさんの方々に知られている会社や団体の設立に数多く関わっていたのは知らない人も多いのではないでしょうか。
新しく紙幣の肖像として採用される事となり、今後多くの人に渋沢栄一が知られていくことになるでしょう。
新紙幣、一万円札の肖像 渋沢栄一についての参考になれば幸いです。

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