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節分に柊鰯を飾る地域は?飾る意味や飾り方についてのまとめ

投稿日:2018年11月19日 更新日:

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節分と聞いて連想するのは「豆まき」そして「恵方巻き」あたりが多いのではないでしょうか?

しかし中には「イワシ」を連想される方もけっこうおられます。

節分にイワシ?

と思われる方のほうが多いとは思われますが、実際節分になったらイワシを飾ったり食べたりする風習があるのです。

それについて色々と調べてみたのでご紹介させて頂きます。

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節分に柊鰯を飾る地域は?

節分になったら飾られる柊の葉がついたイワシの事を

「柊鰯(ひいらぎいわし)」

と言います。

主に玄関に飾られるものなのですが、主に関西を中心とした西日本で行われている風習です。
しかし東北や関東、東海地方でも見られるので、本州の中で見られる風習の1つです。

【現在でもイワシを飾る地域】
【東北】青森、福島
【東海】岐阜、愛知、静岡
【関東】東京、埼玉、千葉、栃木、群馬
【関西】京都、大阪、奈良(特に多い)
【西日本】岡山、広島
などで見られます。

西日本では
『焼嗅(やいかがし)』
『やっかがし』
『やきさし』

とも言われています。

また奈良県の奈良市内では今でも多くの家でこの風習が見られるそうで、

同じ奈良県の吉野町では「一本だたら」と呼ばれる一つ目、一本足の姿をした妖怪を防ぐために、

節分になると焼いた鰯の頭を棘のある小枝に刺して玄関に飾るといった風習まであります。

このように、北海道や九州、四国をのぞく本州の広い範囲の地域で見ることができる風習なのですが

実際には「地域」で広まったというよりは「家庭環境」で広まったところが多いように思えます。

1つの風習が「結婚」や「引っ越し」などを経て受け継がれていく中で、広い地域に広まってはいったものの、毎年のように執り行う家とあまり執り行わない家があったりで同じ地域でも見られる場所と見られない所の差ができていったのではないでしょうか。

ちなみに私は関西出身で奈良県へもよく行きますが、節分の「柊鰯」を見たこともなければ、食べたこともありませんでした。
なんなら、その存在すら最近まで知りませんでした。

 

節分に飾る柊鰯の意味は?

節分に飾られる『柊鰯』にはどのような意味があるのでしょうか?

魔除けとして飾られる?

イワシと一緒に飾られる『柊(ひいらぎ)』の葉には尖った棘がたくさんあります。

その柊の葉っぱについた棘が鬼の目を刺すために鬼が門から入れなくなり、またイワシを焼くときのくさい臭いと煙を嫌がり鬼が近づかないとされています。
他にも「イワシの臭いで鬼を誘って、やって来たところを柊の葉っぱについた棘で目を刺す」といった説もあります。
いわゆる『邪気払い』のような意味が込められています。

邪気払いのイワシ?

節分

とは「季節の分かれ目」

立春の前日にあたり、旧暦では立春「新年」ととらえられていました
ということは「新年」の前日なので、節分「大晦日」だったのです。

昔は季節の変わり目には邪気(鬼)が出ると考えられていたので、節分には邪気払いの行事が行われてました。

鬼は鰯の臭いを嫌います。なので鰯を焼くときに出る強い臭いと煙で鬼が家に近づかないようにするために鰯を焼いて食べるのです。
つまり節分に飾られる「柊鰯」」にも、食べる「イワシ」にも『邪気払い』のような意味が込められていたのです。

 

また、これとは逆の意味合いのある説もあります。

鬼は生臭いものが好きだとする説です。

大晦日「陰の気」が強い日なので、「陰の象徴」とされる鬼が出回る日。ここまでは先ほどと変わらないです。
鬼は生臭いものが好きなので、最も生臭いとされた食べ物である『鰯』を食べることで、めでたい「陽の気」である新年を迎えようとする考え方です。

鰯を食べるもうひとつの意味

イワシは漢字にすると「魚」偏に「弱」と書いて「鰯」となります。
読んで字のごとく、鰯は海から陸に揚げられるとすぐに弱ってしまう腐りやすい魚です。
そこから、「よわし」が変化して『鰯(イワシ)』となりました。
また「賎し(いやし)」や貴族の食べ物ではなく「賎しい(いやしい)」魚という意味での「イヤシ」が変化して『鰯(イワシ)』となったという説もあります。

弱くて卑しいとされる「鰯」を食べることで「陰の気」を消すという意味もあったそうです。

豆まきと同じで外からくる邪気払いと体内の厄払いのような意味があるのですね。

豆まきに関する記事はこちら→節分の豆まきの由来を子どもに伝える!やり方も伝授!落花生を使う?

柊鰯の風習はいつから?

この風習は平安時代から始まったと言われています。
紀貫之の土佐日記の中に既に「柊鰯」のもとになる「飾り物」が記されています。

当時は正月になると門口に飾られる注連縄(しめなわ)に「柊の枝」と「なよし(ボラ)」の頭を刺していたようです。
イワシではなくボラだったのです。

この名残は今も見られ伊勢神宮でお正月に売られている注連縄には柊の小枝が挿してあるのです。

いつからイワシにチェンジ?

江戸時代の百科事典にあたる書物にイワシが登場します。
『中むかしよりは鯔をいはしにかへ用ゐたりしは藤の為家郷の歌に、ひいいらぎにいはしをよみ合わせ給へるものによれば、是も六百年前よりの事なり』
と書かれています。

だいたいの意味は

「今はボラの頭をイワシの頭に代えてます。ヒイラギとイワシを歌に詠んだ藤原為家という人もいますがそれも600年も前のことです。」

となり、その藤原為家1224年

『世の中は 数ならずとも ひゝらぎの 色に出ても いはしとぞ思ふ』

と詠んでいます。

このことから既に鎌倉時代にはボラがイワシに変わっていたと思われます。

土佐日記に登場したナヨシは当時は高級魚だったとも考えられ、柊にナヨシを挿す飾り物はおそらく平安貴族の間で行われていた行事で、それが庶民に広がっていったときに手に入れやすかったイワシに変化していったのではないかと考えられます。

 

古くから行われてきた風習なので、それにまつわることわざもあります

・鰯の頭(かしら)も信心から
イワシの頭のようなつまらないものでも、信仰すれば非常に尊いものに見えることから、信仰心の不思議さをたとえたことわざ。

 

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節分に見られる柊鰯の飾り方

柊鰯は主に玄関の外に飾られます。

柊鰯の飾り方

1,まず鰯を丸ごと、もしくは頭の部分だけを焼きます
2,焼いた鰯の頭部だけをヒイラギの小枝に刺します
3,玄関の外の戸口に挿します。

飾る時期

一般的には節分にあたる2月3日から立春にあたる2月4日にかけて飾ります。

地方によっては小正月(1月15日)から立春(2月4日)まで飾るところや1年間飾るところもあります。

飾り終えた後は

・塩で清めて半紙で包み捨てる方法
・半紙に包んでから塩で清めて捨てる方法
・どんど焼きや神社のお焚き上げに持って行く
・玄関先に埋める
・灰になるまで焼き、玄関前に盛る方法

など地域によっていろいろ違いがあります。

 

節分に柊鰯を飾る地域、飾る意味や飾り方についてのまとめ

節分は昔の暦でいう大晦日にあたるので、新年にあたる立春を迎えるにあたって、邪気払いとしてイワシを焼いて食べ、また焼いた鰯の頭をヒイラギに挿し門に飾っていたのです。

今でも見られる地域は本州の広い範囲で見られますが、地域によって少し違いもあるようです。

古い歴史と人々の新年をめでたく迎えたいという意味が込められていたのですね。

節分に外に出かけた際は一度いろいろな家の玄関や門に注目してみてると、印象の強い『柊鰯』を見つけられるのではないでしょうか。

節分に関する記事はこちら→節分の豆まきの由来を子どもに伝える!やり方も伝授!落花生を使う?
恵方巻きに関する記事はこちら→節分に食べる恵方巻きの由来や食べ方について、方角の決め方は?2019
節分そばに関する記事はこちら→節分そばを食べる地域は?その意味は?なぜ食べるの?

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