節分そばという言葉を聞いたことがありますか?
初めて聞かれた方も多いと思います。
しかし、節分そばを食べる風習は確かにあり、その歴史も古いとされています。
節分そばの意味や由来、なぜ食べるのかをご紹介させていただきます。
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節分そばを食べる地域とは?
普通節分と聞けば「豆まき」が一番最初にイメージされると思います。
最近だと「恵方巻き」をイメージされる方も多いかもしれません。
変わったところだと「イワシ」と答える方もおられるかもしれませんね。
しかし、節分に「そば」を食べるという風習を知っておられるかたはあまりおられないのではないでしょうか?
今でも実際に「そば」を食べる地域があるのです。
・島根県の出雲地方
どちらも蕎麦で有名な地域です。
信州そばや出雲そばは三大蕎麦の1つです。ちなみにあと1つはわんこそばです。
・信州は山間部で稲作に向かない土地であるために昔から蕎麦栽培が盛んでした。
県内の各地で独自の蕎麦があり蕎麦の産地としての歴史があります。
・出雲の地は寒さに強くて収穫までが短いために痩せ地でも栽培できる蕎麦栽培が栄えたのです。
食べ方にも特色があって「割子蕎麦」「釜揚げ蕎麦」という食べ方が広まっています。
あとで解説もいたしますが『節分そば』はかつて全国で食べられていた風習です。
それが、現在にいたるまでそばの産地としても有名なこの長野県と島根県の地域では根強く残ったのでしょう。
しかし、最近では他の地域のスーパーやコンビニなどでも節分になると「節分蕎麦」と銘打って販売しています。
「恵方巻き」に続けと仕掛けているんでしょうかね?w
「恵方巻き」についてはこちらに詳しく→節分に食べる恵方巻きの由来や食べ方について、方角の決め方は?2019
節分そばの意味とは?
江戸時代からの風習?
なんと「節分そば」は古くは江戸時代から食べられていました。
そしてその当時は「節分そば」としてではなく「年越しそば」として食べられていたのです。
1814年の『大坂繁花風土記』の中にある年中行事の条に節分に年越しそばを食べて祝うところが多かったことが記されています。
今でこそ「年越しそば」は大晦日に食べるものですが、当時は節分に食べるものだったのです。
そばを大晦日に食べるようになったのは比較的新しい風習なのですね。
「節分」の意味とは?
節分
とは分かりやすく言えば、季節の変わり目のことです。季(節)を(分)けるので「節分」なのです。
新しい季節の始まる日は1年に4回あります。
立春、立夏、立秋、立冬
がそれにあたります。
そして、それぞれの前日にあたる日が「節分」なのです。
だから節分も正確には4日あるのです。
節分が大晦日?
江戸時代の頃はこの立春を「新しい年の始まる日」としていました。立春が新年としてとらえられていたのです。
したがって、その立春の前日である節分は、「年越しの日」、つまり「大晦日」として考えられていたのです。
冬から春に変わる節目の日であり、大寒の最終日にあたる節分の日を大晦日として年越しそばが食べられていたのです。
と
もともとは「節分そば」のことを「年越しそば」と呼んでいたのです。
そしてこの当時の暦でいう大晦日に食べられていたそばは「晦日そば」と呼ばれ「年越し蕎麦」とは区別されていました。
明治になって旧暦から新しい暦に変わり、「年越し」の日が「節分」から新暦の「大晦日」の日に変わってしまったために、現在のように大晦日に「年越しそば」が食べられるようになったのです。
今では「節分」というと立春の前日である2月3日の節分のことしか言わなくなりました。
それは、おそらく残りの3つの節分よりも、新年にあたるめでたく大切な日である立春前日の節分が重要視されてきたからなのでしょう。
節分にそばを食べるのはなぜ?
昔の大晦日にあたる「節分」になぜ「そば」を食べるようになったのでしょうか?
それにはいくつかの説があるので見ていきましょう。
・細く長く生きたいという願い
そばの形状を人生になぞらえたものです。定番の説
・逆境でも強く生きたいという願い
蕎麦は悪天候にも強く、日が差せばすぐに元気を取り戻すことができ、他の植物と比較してもやせた土地でもたくましく育つことができます。
そういった蕎麦の特性にあやかった願いが込められてるという説
・厄を断ち切る
そばはうどんと比べるとすぐに噛みきれることから、厄を断ち切るとしての縁起をかついだ説
・運気アップ
お金持ちの商人が貧しい人々に蕎麦団子をふるまったら、翌年以降運気がよくなったという言い伝えから。
・安定した収入を得る
蕎麦が逆境に強い植物であるため収穫も安定しているので、暮らしのための安定した稼ぎが続くようにという願いがこめられたとする説
・邪気払い
蕎麦の実は三角錐の形です。古くから三角形には邪気を払う力があるとされています。
・体内をきれいにして新年を迎える
江戸時代の書物『本朝食鑑』にそばは健康に良い食べ物といった意味のことが記されています。
・お金を集める
金銀細工師は飛び散った金銀の粉をそば粉を使って集めます。そこから縁起をかついで食べるようになったという説
やはり新年を迎えるにあたって食べるので、運気アップや縁起をかついだものが多いですね。
節分そばを食べる地域は?その意味は?なぜ食べるのか?のまとめ
今では節分そばを食べる地域は信州と出雲といった限られた場所でしか見かけなくなりましたが、もともとは「年越しそば」として全国の広い地域で食べられていたのです。
節分が今で言う「大晦日」だったのですね。
新しい年を迎えるにあたり、そばの特性にあやかったり、縁起をかついで食べられるようになっていき、現在の「年越しそば」に繋がることが分りました。
今年は大晦日に「年越しそば」を食べ、年が明けたら節分に「節分そば」を食べてみるのもいいかもしれませんね。
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