吉野の桜風景、シロヤマザクラを中心とした約200種30000本と言われる桜が密集しており、一目に千本見える豪華さから「一目千本」といわれています。
今回ご紹介するのは「上千本」エリアです。
駅からも比較的近い「下千本」や関西でも人気の高い「中千本」エリアと比べて標高も高く眺望も良い「上千本」エリア。
花矢倉展望台や滝桜についても詳しく紹介していきます。
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吉野の桜、上千本で見所は?
吉野山の桜は山下の下千本から中千本、上千本、奥千本と山上へ向かって順に開花していきます。
標高も上千本エリアは約370m~600mと「下千本」や「中千本」と比べても一段と高くなるため急な坂道も多くなってきます。
茶屋は点在しますが、中千本エリアにはあったような食堂もなくなります。
細い道が増えてきますが舗装はされているのでスニーカーでも十分歩けます。
しかし、標高が高くなるぶん眺めもより大きく広がってくるので吉野山を一望できるようになります。
吉野の桜、上千本エリアの見所
・吉野水分神社(よしのみくまりじんじゃ)
・御幸の芝明神
・竹林院
・滝桜
花矢倉展望台
獅子尾坂を登りきったところにある吉野の観桜の中でも代表的な展望スポット
上千本の絶景ポイントの中でも比較的標高が低めの場所にあるので徒歩でもアクセスしやすいスポットです。
上千本・中千本・金峯山寺の蔵王堂まで一望できる絶景の展望台です。
また眼下に広がる圧巻の桜風景だけではなく展望台周辺に咲く桜も楽しむことができます。
座敷席もありますが上がるのは有料になります。
近くに茶屋もあるので、休憩しながらゆっくりと眺めることが出来ます。
奈良と大阪の県境である金剛山・葛城山・二上山までも眺望できます。
アクセス
所要時間
:下千本駐車場から徒歩で約60分/近鉄吉野駅から徒歩で約70分
臨時バス:中千本操車場からは徒歩で約40分
臨時バス:奥千本口バス停から徒歩で約30分
吉野水分神社(よしのみくまりじんじゃ)
花矢倉展望台から200m弱、徒歩数分のところにある神社です。
境内に咲くしだれ桜は見所の1つです。
創建に関しては不詳ですが、古い記録としては『続日本紀』(698年)に記述があるのでそうとう古くからある神社です。
「みくまり」が「みこもり」となまって、平安時代の中頃から「子守明神」と呼ばれるようになり、豊臣秀吉もこの地を訪れ秀頼を授かったともいわれています。
社殿は秀頼が再建したものになり、本殿・拝殿・幣殿・楼門・回廊からなる桃山時代の美しい建築です。
再建と言っても再建されたのが1605年なので、それでも今から400年以上も前という古い建物です。
2004年7月には世界遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』の一部として登録されています。
また印象的な鮮やかな朱色の楼門は重要文化財にしていされています。
参拝時間:8:00~16:00
(4月のみ:8:00~17:00)
アクセス
所要時間
:下千本駐車場から徒歩で約65分/近鉄吉野駅から徒歩で約80分
臨時バス:中千本操車場からは徒歩で約45分
臨時バス:奥千本口バス停から徒歩で約30分
御幸の芝明神・龍王神社(雨師観音堂跡)
かつてこの場所に雨師観音堂があったのですが、明治の神仏分離によって壊されてしまい現在は龍王社が鎮座しています。
この観音堂跡のある辺りが『御幸の芝』と呼ばれています。
この雨師観音堂跡のそばにある展望台からの眺めもおすすめです。
桜越しに遠くに建つ蔵王堂を観ることも出来る他、如意輪寺周辺の桜を見渡すこともできる絶景ポイントの1つです。
アクセス
所要時間
:下千本駐車場から徒歩で約45分/近鉄吉野駅から徒歩で約60分
臨時バス:中千本操車場からは徒歩で約20分
臨時バス:奥千本口バス停から徒歩で約45分
竹林院
聖徳太子が創設に関わったとされている寺院で、格調の高い宿坊としても有名です。
敷地内にある庭園の群芳園(ぐんぽうえん)は千利休が作庭して細川幽斎が改修したといわれており大和三庭園のひとつになっています。
『ミシュランガイド京都・大阪・神戸・奈良2013』にも掲載されています。
園内に咲くしだれ桜も美しく、また竹林院の門からみえる桜も奈良の古の香りが感じられる景色になっています。
拝観時間:8:00~17:00
料金:境内は無料 庭園の入園に300円
アクセス
所要時間
:下千本駐車場から徒歩で約35分/近鉄吉野駅から徒歩で約45分
臨時バス:中千本操車場からは徒歩で約10分
臨時バス:奥千本口バス停から徒歩で約50分
滝桜
中千本バス操車場近くの参陵トンネルを抜けたあたりから山上をみると山の谷間に群生する数多くの桜をみることができます。
この桜が密集しているあたり一帯が「上千本」になり吉野山の中でも桜が多いエリアです。
その雄大な桜の景色はまるで大きな滝のようであり『滝桜』と呼ばれています。
吉野の桜を上千本で観るためのアクセスの仕方
車の場合
吉野山の玄関口にあたる『下千本駐車場』の駐車後、徒歩で約30分ほどで「上千本入り口」に到着します。
観桜期は駐車料金が1500円になります。
電車の場合
『近鉄吉野駅』
下車、徒歩約40分ほどで「上千本入り口」に到着します。
臨時バスについて
桜のシーズンは『近鉄吉野駅』から『中千本方面』へ走る臨時バスが出てます。
観光車道を通り、『中千本操車場』まで走ります。
所要時間:約15分 9:10~16:30頃まで1時間に2~4本で運行されています。
料金:大人片道360円 こども片道180円
奥千本行きのバスについて
下千本駐車場から奥千本まで行くことのできる有料バスがあるのですが観桜期は上千本エリアからしか乗車することができません。
しかし、下千本駐車場から中千本操車場までのバスを下車後、奥千本行きのバスに乗り継げば約30分で下千本駐車場から奥千本まで行くことが可能です。
但し、混雑時はバスに乗車するのに時間がかかってしまい、バスに乗らずに歩いた方が早い場合もあります。
上千本エリアの「竹林院」近くにある『奥千本行きバス乗り場』から「奥千本口」(金峯神社近く)までを結びます。
所要時間:約15分
始発:8:30~でその後30分毎に乗車可能です。
最終:14:30発(4月後半は14:00発が最終)
料金:大人片道400円 小人200円 (情報は2014/4時点)
上千本エリア内の場所によっては中千本操車場から歩くよりも、奥千本口から歩いたほうが早い場合もあります。
吉野の桜を上千本で観る所要時間は?
徒歩で行くのであれば吉野山の玄関口「下千本駐車場」から約65分ほどで上千本エリアの中で一番遠い吉野水分神社まで到着します。
近鉄吉野駅からでも約80分ほどです。
単純に往復するだけでも2時間40分ほどはかかります。
吉野水分神社で境内を散策した後に花矢倉展望台へ行き、観桜を楽しんだりと各スポットを全て回って吉野駅へと戻ると食事やゆっくりと休憩をとりながらだと4~5時間はみておいた方が良いでしょう。
帰りに中千本エリアなどに立ち寄る場合は5~6時間ほどはかかるでしょう。
臨時バスの利用のおすすめ
臨時バスを利用して近鉄吉野駅から中千本操車場、または奥千本口バス停まで一気に上ってそこから徒歩でゆっくりと回ることをおすすめします。
時間の短縮加減は?というとバス停から目的のスポットまで歩く時間を考慮すると、全て徒歩の場合と劇的に変わるわけではありませんが、体力的なことも考えると桜見物の後半になるほど疲れ方が大きく変わってくるでしょう。
広大な範囲に咲く吉野の山の桜見物は、1日かけてゆっくりと楽しむことをおすすめします。
「吉野の桜を上千本での見所は?バスや所要時間についても紹介」のまとめ
『上千本』は標高も高くなるぶん急な坂道も多くなります。
歩くのが大変になりますが、標高が高い分見下ろす桜の景色も広がります。
『近鉄吉野駅』や『下千本駐車場』から歩いて回ることもできますが、たくさんのスポットを見て回るのなら臨時バスを使って『中千本操車場』から徒歩で回ることをおすすめします。
『上千本エリア』の中でも一番上にある『吉野水分神社』まで一気に上って、そこからゆっくりと各スポットをみてまわるのがよいでしょう。
所要時間はけっこうかかりますが、一日かけてゆっくりと吉野の山の桜を堪能してみてはどうでしょうか?
一生の思い出になる景色に出会えるための参考になれば幸いです。
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