吉野山、中千本エリアにある吉水神社に行ってきました。
世界遺産に登録されている『吉水神社』
パワースポットとしても有名なこの場所から見る一目千本は吉野山の桜の名所の中でも息をのむ美しさです。
詳しく紹介していきましょう。
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吉水神社,世界遺産に登録された書院
吉水神社(よしみずじんじゃ)は奈良県吉野郡吉野町吉野山にある神社です。
全国的に桜で有名なあの「吉野山」の中千本エリアにある神社です。
日本最古の書院として世界遺産登録
門をくぐるとすぐ左手に手水舎があります。
手水舎の向かいには「恵比須神社」もありました。
さらに先に進むと本社がありました。
そして「拝観受付」のあるこの建物が『吉水神社』の『書院』になります。
『吉水神社』は日本住宅建築史上「最古の書院」としてユネスコより世界遺産として登録された書院です。
書院というのは日本の建築様式のひとつで、この『吉水神社』の書院は現在の日本住宅の源流をなす最古の実例としてたくさんの珍しい手法が見ることができ初期書院造りの代表的なものになっています。
書院には樹齢約四〇〇年の大きな『御神木』もありました。
「最古の書院」ということですが果たしてどのくらい古いのかというと……
白鳳年間に建立された
今から約1300年以上まえの白鳳年間(600年代中頃~後期)に修験道の開祖、「役行者(えんのぎょうじゃ)」によって建立されたと伝えられています。
もともとは金峯山寺の僧坊で元は「吉水院(よしみずいん)」と呼ばれていました。
格式の高い修験宗の僧坊だったのです。
「僧坊」というのは寺院内の僧の住む建物のことです。
今でも吉水神社の奥の部屋には「役行者像」が祀られています。
鬼を従えて祀られているので、少しこわい感じがします。
明治時代に入り神仏分離で廃寺、1874年(明治7年)に吉水神社と改めるようになります。
金峯山寺は吉水神社からも見ることができます。
遠くからでもこんなに大きく見えるのです。
義経ゆかりの間
1185年(文治元年)、源義経が兄である源頼朝から逃げるために静御前や弁慶らお供のものたちと、この吉水院に隠れ住まわれたことでも知られています。
義経が静御前と最後に過ごした場所なのです。
吉水院に遺された歴史品の数々が展示されています。
展示内容
・静御前の鎧・弁慶思案の間・弁慶の小手
・弁慶の武装槍(弁慶の七つ道具)・佐藤忠信の兜など
義経潜居の間は室町初期の様式で床棚書院(とこだなしょいん)の初期の様式になります。
後醍醐天皇の玉座
南北朝時代、1336年(延元元年)に京の花山院から後醍醐天皇が吉野に潜行されます。潜行とは天皇がお忍び出かけることです。
そして吉水院の僧「吉水宗信」の援護のもとで吉水院を南朝の皇居とされます。
こちらが後醍醐天皇の玉座です。
約680年ほど前にはここに、この場所に後醍醐天皇がおられたんですね。不思議な感じがします。
他にも展示物はたくさんあります。
展示内容
後醍醐天皇御物
・石硯(すずり) ・笙(しょう) ・三五中録第二の巻
・陣羽織 ・羊皮太鼓 ・御茶台
・金輪寺茶入 ・矢筒・後醍醐天皇御宸筆(ごしんぴつ)
・楠氏系図 ・毘沙門天像(楠木正成所持)
豊臣秀吉の花見の本陣
1594年(文禄三年)にいは豊臣秀吉が吉野で盛大な花見の宴をします。
当時から既に吉野山では桜の花見の文化があったんですね。
花見の宴の際に吉水院を本陣とし数日間滞在したようです。
「歌の会」「お茶の会」「お能の会」など開いて天下に権勢を示したそうです。
花見の本陣の跡がありました。
秀吉が吉野の大花見をした時、吉水神社が花見の本陣となりました。
秀吉自らが基本設計を行った庭園で、安土桃山時代の華やかさを現代に伝える「桃山様式の日本庭園」です。
約420年前にここで秀吉が花見をしたのも不思議な感じがします。
吉水神社には安土桃山時代の展示物がたくさんありました。
こちらは狩野三雪(かのうさんせつ)作の襖絵(ふすまえ)
『群鶴(ぐんかく)』です。
展示物
・湯釜(秀吉公寄贈) ・太閤愛用金屏風「竹の図」・太閤愛用金屏風「桜の図」
・青磁の壺、花瓶 ・室町、安土桃山時代能面 十二点
合計百数十点の文化財
吉水神社の書院の中には他にもたくさんの文化財が素朴に展示されています。
展示物
・太閤愛用金屏風「竹の図」・太閤愛用金屏風「桜の図」
・青磁の壺、花瓶 ・室町、安土桃山時代能面 十二点
吉野山の吉水神社はパワースポット
吉水神社の書院造の庭の北側には邪気祓い所である『北闕門(ほっけつもん)』があります。ここは究極のパワースポットとしても有名な場所になります。
古来より大峯山への入山許可書を発行する場所だった吉水神社。
修験者(山伏)たちはこの大峯山へ入山するにあたって、無事平穏に下山できるようにとこの『北闕門』で祈りをしたのです。
ここで祈ると邪気が祓われると言われています。
後醍醐天皇も朝夕に必ずこの北闕門に立たれ、京都の空を仰ぎながら「九字」を切られたそうです。
邪気祓いである「九字真法(くじしんぽう)」の作法が書いてありました。この通りにしたいのですがなかなか覚えられず、隣で奥さんに音読してもらいながら九字を切りました。
九字真法(くじしんぽう)による邪気払い
「九字真法」とは「臨(りん)」「兵(びょう)」「闘(とう)」「者(しゃ)」「皆(かい)」「陣(じん)」「烈(れつ)」「在(ざい)」「前(ぜん)」
の九つの言葉を唱えて、それに合わせて手を刀の形に見立て、陰陽師の「四縦五横」(たて4回よこ5回)に空を切る護身の為のお祓い法のことです。
「吉野」は「国軸」と言われています。
北闕門は「力がもらえる」「元気がもらえた」と人気の高い「究極のパワースポット」となっています。
吉水神社から見る一目千本
中千本エリアにある吉水神社の境内からは「一目千本」と呼ばれる圧巻の桜景色を一望できます。
吉野山の絶景スポットの一つです。
中千本と上千本の桜を同時に見渡すことができ、まさに一目で「千本」の桜が目の前に飛び込んでくる吉野山の中でも絶好の場所です。
境内の立ち入りは無料ですが、入山料一口200円の寄付をお願いされていました。
たくさんの観桜客や修学旅行生達がカメラを持ってこの場所にいました。
一目千本の向かいには「社務所」がありました。
吉水神社、一目千本へのアクセスの仕方
<電車の場合>
近鉄吉野線『吉野駅』下車後、改札を出てまっすぐ歩き、徒歩2~3分ほどで『吉野ロープウェイ』の入り口に着きます。
『千本口駅』から『吉野山駅』までは大人450円(片道)こども230円(片道)と割と高めです。
こども料金は4歳児から小学生までになっています。
ロープウェイに乗車後約3分で『吉野山駅』に到着します。
ロープウェイを使わずに「七曲坂」を歩いていくこともできます。
だいたい15~20分ほどで『吉野山駅』の辺りまで来ることができます。
吉野山駅から徒歩約30分ほどで左手に鳥居が見えてきます。
鳥居をくぐり坂を一旦降りていき、もう一度上がったところに吉水神社はあります。
「吉水神社は世界遺産|吉野山のパワースポットから見る一目千本」まとめ
奈良県は桜で有名な吉野山にある『吉水神社』
源義経や静御前、弁慶、そして豊臣秀吉から後醍醐天皇とたくさんの歴史上の人物にゆかりのあるこの神社はパワースポットとしても有名な場所になっています。
邪気払い所となっている北闕門で邪気を祓い、力をもらいましょう。
そして吉野山の中でも桜の絶景ポイントのなっている「一目千本」では中千本、上千本の桜を同時に観ることができます。
一見の価値ありの桜景色をぜひ堪能して下さい。
吉野山めぐりの参考になれば幸いです。
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