社会人になってからの年賀状、親しい友達に出すだけなら気にならなかった文面も、会社関係の方々に出すようになって気になるところですよね。
今回は宛名を書く表面ではなく、挨拶の文を書く裏面の書き方のマナーをまとめてみました。
Table of Contents
年賀状の裏面を書く時のマナー
一般的には「賀詞」「日付」「氏名」の3つがきちんと書かれていれば失礼にはあたりません。
ただ基本的な文面を構成するには5つの要素があるのでそれをみていきましょう。
・賀詞 新年を祝う言葉
・お礼 昨年のお礼や日頃の感謝、年越しへの喜びなどを述べる文。
・指導のお願い 今後の指導や変わらぬお付き合いを願う文。
・相手及び相手の家族の健康や幸せを願う文。
・日付 ○○○○年元旦 もしくは○○○○年1月1日
おおまかにこれらの5つの要素を知っておき、出す相手によって言葉を選んで構成しましょう。
それでは1つ1つみていきます。
賀詞
『賀詞』
とは新年を祝う言葉のことです。年賀状では冒頭に書かれている一番大きな文字のものです。
「寿」「迎春」「謹賀新年」「新年おめでとうございます」「A HAPPY NEW YEAR」など1文字で出来ている言葉から長い文になってるものまであります。
漢字1文字や2文字で出来ている賀詞は、目上の人から目下の人に向けて使うのが一般的です。なので上司や取引先などに出す場合は控えておきましょう。
適した相手:後輩や目下の人2文字の賀詞:「賀寿」「賀正」「寿春」「新禧」「迎春」「慶春」「賀春」「初春」「頌春」「年賀」「慶賀」
適した相手:友人や目下の人4文字の賀詞:「謹賀新年」「謹賀新春」「恭賀新年」「恭賀新春」「慶賀光春」「慶頌新禧」
適した相手:目上の方
文章型の賀詞:「あけましておめでとうございます」「新年おめでとうございます」「謹んで新春のお慶びを申し上げます」等
適した相手:誰にでも使えます
外国語の賀詞:HAPPY NEW YEAR
適した相手:友達や親しい人
賀詞の選び方は裏面を書く際のマナーで最も注意したいことです。
賀詞のあとの文面で意味が重複することは書かないように気をつけましょう。
たとえば、『新年』とは年が明けたことを意味する言葉なので、「新年あけましておめでとうございます」と書いてしまうと意味が重なってしまいます。
また『元旦』という言葉は「1月1日の朝」という意味なので、「○○年1月1日元旦」や「○○年1月元旦」と書くと間違いになります。
正しくは、「○○年元旦」です。
あと意外に知られていないと思うのですが「A HAPPY NEW YEAR」という英語の言葉は「良い年を迎えましょう」という意味なので、元旦の挨拶としては違います。
「A」をとって「HAPPY NEW YEAR」としましょう。
お礼
『賀詞』
を書いたら、次の行に改行して昨年のお礼や日頃の感謝、ご無沙汰していることへのお詫びや年越しへの喜び、近況報告などを書きます。
文面で気をつけなければいけないマナー
うっかり書いてしまいがちなのが「去年」という言葉です。「去」という文字に「別れる」や「離れる」と言った意味があるので「忌み言葉」とされています。
なので「昨年」や「旧年」と言った言葉を使うのがマナーです。
「去る」以外にも「衰える」「破れる」「失う」「枯れる」「病む」等は年賀状を書く時のNGワードとして使わないように注意しましょう。・句読点はつけない
『賀詞』についても言えることなんですが、年賀状には「、」や「。」などの句読点はつけないのがマナーです。
年始めのおめでたい挨拶に「区切り」をつけないと言う意味や、毛筆で書かれていた時代からの名残という説があります。
これらの事に気をつけて書きましょう
・旧年中は大変お世話になりました
・旧年中はひとかたならぬご厚情を賜り誠に厚く御礼申し上げます
・昨年○月○日に長男○○(ふりがなも)が誕生しました。
指導のお願い
相手に対して今後も変わらぬお付き合いやご指導をお願いする言葉を書きましょう。また新年の抱負などを入れるのもいいです。
・本年もどうぞよろしくお願い申し上げます
・本年もご指導の程よろしくお願いいたします
・本年も何かとお世話になことと存じます どうかよろしくお願いします
・今年は○○を始めようかと思います
相手及び相手の家族の健康や幸せ、繁栄を願う文
友達や親しい人との間柄であれば省略できますが、上司や目上の人にあたる相手の場合は書き添えるのがマナーです。
・貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます
・皆様にとって佳き年であるますよう心からお祈り申し上げます
日付
年賀状を書いた日付ではありません。『元旦』や『1月1日』を書くのがマナーです。
元旦に届かなくても『松の内』の1月7日までに届けば『元旦』でかまいません。
縦書きの場合は漢数字で横書きの場合は算用数字で書きます。
年賀状の裏面、手書きでも書きましょう
裏面に書く際のマナーをいろいろ見てきました。
今ではパソコンなどで裏面の「イラスト」「賀詞」「文面」などもたくさんの素材や文例の中から選んで作れるようになりました。
また裏面がすでに書かれているものが売られていたりもしているので、実際にすべて書かれる方は少ないと思われます。
しかし、その印刷された年賀状をそのまま送ってしまうのも温かみのないものになってしまいます。
宛先入力やイラストのデザインを一生懸命考えたりでたしかに「手間」はかかっているのですが、相手先には機械的な部分の印象が残ってしまうかもしれません。
なので、一言添えでも手書きの言葉を書くようにしましょう。
手書きのマナー
毛筆で書く
ボールペンでは細い文字になってしまいます。新年のめでたい挨拶は太くて力強い文字がかける筆の方がよいとされています。
毛筆→筆ペン→油性フェルトペン→ボールペンの→印字 が印象が良い順です。
文字の修正
文字を間違えてしまったら新しいハガキに書き直しましょう。訂正線や修正テープはNGです。
ハガキは手数料を払えば新しい切手やハガキに交換してもらえます。郵便切手、通常ハガキであれば一枚につき五円です。
ひと言の添え書きをするなら、心のこもったことを添えるほうが温かみも出て良い印象になるでしょう。
・今年こそ会えるのを楽しみにしています
・お子様の成長が楽しみですね
・毎年、家族の写真をありがとう
・○○の件では大変お世話になりました
・○○のの時は温かくご指導いただき感謝しております
・またお目にかかるのを楽しみにしております。
など、裏面の空いてるスペースにぜひ手書きで一言添えて出しましょう。
年賀状の裏面の挨拶文の書き方
年賀状を書く際、裏面の挨拶文が必要なのはおそらく上司や目上の人に出す場合でしょう。
友達や親しい間柄であれば挨拶文に関しては特に決まりはないので、ここでは上司や目上の方に出す場合の書き方をみていきましょう。
賀詞
賀詞には「謹(つつんで)」「恭(うやうやしく)」と言った意味のある賀詞を使うのがよいので
4文字の賀詞なら『謹賀新年』『恭賀新年』
文章タイプなら『謹んで初春の慶びを申し上げます』『謹んで新年のご挨拶を申し上げます』など。
「謹んで」とは「うやうやしく物事をするさま。かしこまって。」と言う意味で、「謹」という漢字は相手に対しての敬意を表するさまを表しています。
文例
・頭語や結語はいらない
「拝啓」や「敬具」などは必要ありません。
・時候の挨拶も必要ありません。
写真
・家族写真やお子さんの写真など、友人や親しい人に送るには喜ばれるものですが、本来年賀状は相手さまへの新年のご挨拶なので、会社の上司や取引先などのあらたまった相手に出す場合は控えたほうが無難です。
出す相手によって裏面を分けて出すといいでしょう。また仲の良い上司や家族ぐるみの付き合いがあるばあいは喜ばれる場合もあります。
上司との関係性を考えてから作りましょう。
縦書きで書く
基本的に年賀状は縦書きで書きます。年賀状自体も縦が長くできてます。
市販されているものや、パソコンで作った裏面のイラストやデザインには横書きのものもあります。
その場合は表面も横書きで書いてもかまいません。年賀状の裏面と表面の縦横はそろえるようにします。
しかし、上司や目上の方に出す場合は、できるだけ裏面も縦書きのものを使うようにしましょう。
NGワード
「ご無沙汰」という言葉は「無」という漢字が入っているのであまり使わないほうが良いです。
一言添え
上司や目上の方との関係性にもよりますが、親密な関係であるなら「近況報告」「共通の趣味」などを書き添えると想いのこもった印象になるでしょう。
日頃の感謝や御礼を込めた一言を添えるのもオススメです。
色ペン
目上の方に出す場合、色ペンはマナー違反です。やめておきましょう。毛筆が基本です。筆や筆ペンでできるだけ書き、苦手であれば油性のフェルトペン、ボールペンで書きます。
元旦に届くようにする
12月の15日から25日ごろまでに出せば元旦に届きます。
できるかぎり元旦に届くように出しましょう。
1月7日の松の内を過ぎてしまうと、『年賀状』ではなく『寒中見舞い』になります。
まとめ
どうだったでしょうか?
意外に知らなかったマナーや書き方のルールがあったのではないでしょうか?
新年、最初のご挨拶になる年賀状。もらった相手の方でさえも知らないマナーかもしれませんが、小さいマナーに気をつけて送るのも心配りの一つです。
細かいことを知ることでハガキの構成を考えたり、文章を考えたりするのも少し楽しくなるかもしれません。
ぜひ、次回、年賀状を書かれる際は、出される相手によって書き方を分けてみてはどうですか?
関連記事→年賀状のマナー、宛名や連名はどう書く?横書きや手書きでは?