お正月に食べる「おせち料理」
みんなそろって食べるている時、子供に「おせち料理の」由来や意味を聞かれてパッと答えられるでしょうか?
なんとなく知っている具材もあれば、まったく分からないものもあるでしょう。
1年で1度しか食べないし、最近ではおせち料理を食べない家庭もあったりします。
日本の古くからあるめでたい節供を祝う料理。
よく考えてみると、おせち料理以外で「料理」という単語が入った食べ物ってあんまりないですよね?
せっかく食べるなら中身の由来について知っておいても損はありません。
具材の種類や意味をまとめてみました。
Table of Contents
おせち料理の由来や意味は?
おせち料理は詰められる具材にはどんなものがあり、それぞれどんな意味や由来があるんでしょうか?
1つ1つ解説していきましょう。
・田作り
カタクチイワシの稚魚を乾燥させてから煎りし、冷めたところに甘辛く煮詰めたタレをからめたものです。
『田作り』と言われる由来は、昔イワシが豊漁で肥料として田に使った時に米が豊作になったことにあります。
なので別名『ごまめ』のあて字として『五万米』が使われてます。ちなみに『ごまめ』の起源は「細群(こまむれ)」です。
田作りを入れる意味は「五穀豊穣」を願ってのものです。
・黒豆
黒大豆を甘く炊いたもの。
色が黒いことから、黒く日焼けするくらい「まめ」に働けますようにとの意味があります。
他にも「邪気払い」をして不老長寿をもたらすという意味もあります
・紅白かまぼこ
初日の出に似ていることから縁起が良いという意味があります。
また紅白の赤色には「魔除け」白色には「清浄」の意味があます。
・昆布巻き
ニシンを昆布で巻き、かんぴょうで縛って醤油とみりんで煮込んだもの。
「喜ぶ」の語呂合わせとして縁起が良いと言われています
他にも「子生(こぶ)」とも書いて、『子孫繁栄』の意味や「養老昆布」と書いて「よろこぶ」と読み、長寿の意味もあります。
・伊達巻
卵を甘く味付けし、魚のすり身を混ぜて焼き「まきす」で丸く固めたもの。
巻物の形をしていることから「学問、教養をもつ」ことを願う意味があります。
『伊達』と言う言葉に「おしゃれ」「人の目を引く」などの意味があります。
卵を混ぜて黄金色になるので、豪華な『晴れの料理』としておせち料理にも入れられるようになりました。
・栗きんとん
栗と甘くした餡を煮込んで、栗の甘露煮にまとわせたもの
漢字では「栗金団」と書くので、『裕福』にとの願いを込めた意味があります。
また見た目が黄色いので「黄金の塊」という意味から『商売繁盛』の願いもこめられてます。
・ちょろぎ
赤い渦巻き状の食材で、シソ科の植物の球根です。
「長老木」や「長老喜」と書いて「ちょろぎ」と読み、『長寿』の意味があります。
・錦玉子
ゆで卵の黄身と白身を別々にし、それぞれ味付けをし裏ごしをし、上部を黄色、下部を白色にして型にはめて蒸したもの。
黄身、白身、がそれぞれ「金と銀」をイメージし、『お正月のめでたさ』を表す意味があります。
・たたきごぼう
ゴボウは地面い深く根を強く張ります。そこから「その土地にしっかりと根を張って安泰に暮らせるように」との意味が込められています。
・ぶり
ブリは出世魚ということで出世を願う意味があります。
・鯛
『めでたい』との語呂合わせ。また恵比寿様が持つ魚なので代表的な祝い魚としておせち料理に入れられてきたようです。
・お煮しめ
色とりどりの根菜、芋類、こんにゃくや鶏肉などを一緒に煮ることから、家族が一緒になり仲良くいられるようにとの、「家庭円満」の意味がこめられています。
・里芋
里芋は掘り起こすと、ひとつの里芋からさらに小芋が繋がってます。そこから『子孫繁栄』の意味があります。
・くわい
大きな芽が出ることから『出世』を願う意味が込められています
・紅白なます
にんじんと大根を短冊に切って漬け込んだ酢の物。
にんじんを紅色、大根を白色として、紅白で『おめでたさ』の意味があります。
他にも、にんじんと大根を細くきることで、紅白の「みずひき」をイメージしていて、『平和を願う』意味や「根菜のように根をはるように」といった意味もあります。
あります。
・数の子
数の子を醤油や味噌につけて味付けしたもの。味付けのしかたは地方によって異なります。
魚卵が多いことから『子孫繁栄』の意味があります。
また、『にしん』の魚卵が選ばれるのは「にしん=二親」という当て字で『夫婦円満』の意味もあります。
・いくら
いくらもまた魚卵の多さから『子孫繁栄』の意味が込められています。
・なまこの酢漬け
薄く切ったなまこをさっと茹でて漬け込んだ酢の物
俵の形にちかいことから『豊作祈願』の意味があります。
・菊花かぶ
冬の旬「かぶ」をめでたい菊の形に飾り切りして、つけた紅白の酢の物。
菊は『邪気払い』『不老長寿』を願う縁起物として入っています。
・レンコンの酢の物
ボイルした食感のよいレンコンを甘酢に漬けた物。
レンコンの穴をのぞくと先が見える。ということで「将来の見通しが明るくなるように」との意味があります。
・海老
海老をまるごと使った料理。さっと煮立てたもの、焼き物として入ることもあります。
海老にひげがあったり、腰が曲がっていることから、『長寿の願い』に意味が込められています。海の老人と書いて『海老』となってるんですね。
・棒鱈
語呂合わせで「鱈腹」をたらふく食べられるとし、さらに腹を『福』として考えられてます。
・松風焼き(まつかぜやき)
挽肉などに調味料、卵など混ぜ、上に白ごまなどをかけて焼いたもの。
白ごまは表面にかけますが、裏側にはなにもしません。そこから『隠し事のない裏のない人生を歩む』という意味があります。
・するめ
するめは昔『寿留女』と書きました。結納品として使用されてることもあり、祝儀の膳において『縁起物』とされていました。
・くるみ
くるみが堅い殻に覆われていることから「家庭円満」を守ってくれるとされてます。他にも「実り」という意味もあります。
・小肌栗漬け
コハダの出世魚です。『出世』を願い入れられています。
栗はクチナシで染められており、『五穀豊穣』を願ってます。
おせち料理の由来、重箱編
さて、色々と具材について由来を見てきましたが、これらの具材も適当に詰められているわけではありません。
どういったルールで重箱に入っているのかも見ていきましょう。
まず重箱に詰められるのにも意味があります。
「めでたい事を重ねる」という思いが込められています。
各段ごとに詰められる料理が決まっています。
最近は三段重ねのものが多いですが、昔は四段重ねが一般的だったそうです。
そして、地方によって具材や詰め方もいろいろ変わってくるので、代表的な詰め方をと紹介します。
お重を重ねて上から順番に数えます。
1段目 一の重(いちのじゅう)
2段目 二の重(にのじゅう)
3段目 三の重(さんのじゅう)
そして
4段目 与の重(よのじゅう)
と読み、4段目は四が死をイメージするので『与』という字に置き換わっています。
また、詰める物は
一の重:『祝い肴』『口取り』
祝い事にふさわしい祝い肴と口取りを詰めます。『口取り』とは、「かまぼこ」や「きんとん」などの酒の肴になる甘めの料理です。
二の重:『焼き物』
縁起のいい海の幸、焼き物
三の重:『煮物』
山の幸が中心。煮染めをいれます。
与の重:『酢の物・和え物』
日持ちのする酢の物を詰めます
五段重ねのお重で
五の重:空っぽにしておきます。
今が最高の状態ではなく、まだこの先に富が増える余白があるという願いが込められています。
今は三段重ねのものが増えてきましたが、三段の場合は詰め方も変わってきます。
三段の場合
一の段:『祝い肴』と『口取り』
二の段:『酢の物』と『焼き物』
三の段:『煮物』
というように詰めます。
正式には二の段には『酢の物』を詰めるらしいのですが、今では『焼き物』を詰める事が多いんだそうです。
おせち料理以外にも、雑煮の由来は?
お雑煮の歴史はとても古くて、平安時代にまで遡ります。
お雑煮に入っている『餅』はめでたいときに食べる「ハレ」の食べ物でした。
室町時代の武家社会において「祝い膳」として出されるようになり、正月料理として出されるようになったそうです。
新年を迎えるときに餅をつき、年神様にお供えをして、元日にお供えのお下がりとして餅やにんじん、大根、里芋などいろんな材料を一緒に煮まぜて食べられていました。
『雑煮』の語源は「煮雑ぜ(にまぜ)」から来てるのです。
お雑煮を食べるときには旧年の収穫や無事に感謝をして、新年の家内安全、豊作を祈願していたそうです。
また正月三が日の間、おせち料理、雑煮を食べる時に使う『祝い箸』ですが、この『祝い箸』は両端が細くなっています。
これには意味があり片方が神様が使い、もう片方を人が使うという『神人共食』を表したものです。
お餅に関してはコチラ→餅を正月に食べる理由は?雑煮に入れたり、お供えするのはなぜ?
まとめ
おせち料理に入っている具材、重箱、雑煮、そして祝い箸。
昔の人は全てのものに色んな感謝や願いを込めておられたんですね。
最近ではおせち料理を食べない方もふえてるのかもしれませんが、こういった意味を色々と知ると、また「おせち料理」に対するイメージも少し変わるのではないでしょうか?
昔からある日本の伝統料理「おせち」。
来年食べる時には、ひとつひとつの具材をより味わってかみしめて食べてみてはどうですか?
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