お正月になったら飾る正月飾り、門松、しめ飾り、鏡餅の3つが代表的なものだと思います。
その中のしめ飾りについてまとめてみました。
しめ飾りの飾り方や意味、由来はどういったものなのでしょか?
またいつまで飾っておくのかについてもご紹介したいと思います。
Table of Contents
お正月のしめ飾りの意味は?
お正月になったら見かける『正月飾り』。
『しめ縄』や『しめ飾り』もその内の一つです。
しめ縄としめ飾りはどう違うのか?
しめ縄
・神社の周りを縄で囲ってその中を神域としたりする意味もあります。
・大相撲の横綱が締めているのも注連縄(しめなわ)です。
・しめ縄は「七五三縄」とも書きます。この七五三という数字は陰陽道での東西の線を指します。
この東西の線は太陽の通り道で、神様の通り道とも言われています。
しめ飾り
・本来のしめ縄の代用とされる場合が多いです。
しめ縄の起源
日本神話から由来すると言われています。
太陽の神、天照大神(アマテラスオオミカミ)が大変な暴れん坊の弟、須佐之男命(スサノヲノミコト)のあまりにもひどいいたづらにお怒りになり天岩戸(アマノイワト)と呼ばれる洞窟にお隠れになられました。
太陽の神様がお隠れになったので、世の中は真っ暗になってしまいます。
それに困った八百万(ヤオヨロズ)(大勢)の神々が相談したのちに、天宇受賣命(アメノウズメ)や天手力雄神(アメノタヂカラオ)達によって天野岩戸から天照大神が引きずり出されます。
するとすぐに太玉命(フトダマノミコト)が二度と天岩戸に入れないように注連縄で戸を塞ぎ「もうこれより中に入らないでください」と言い、天照大神が岩戸の外に出ると世の中も明るくなったいわれています。
これが注連縄の起源と言われています。
しめ飾りの装飾
・『紙垂(しで)』
しめ縄から垂らされている稲妻のような形の紙。邪気を祓い、神聖な場所を表す印となります。落雷があると稲が良く育つと言われていることからこの形になっていると言われています。
・『橙(ダイダイ)』
代代(ダイダイ)繁栄しますようにの意味があり、形からも一家の円満を願ってつけられます。
・『楪、譲葉(ユズリハ)』
春に枝先に新葉が出てから、前年の古い葉が譲るように落葉することから譲葉という名前がついています。
そのことから親が子を育てて家が代々続いていくようにという、子孫繁栄の象徴として縁起物とされています。
・『裏白(ウラジロ)』
しめ縄のミカンの下に垂れ下げられています。大きいシダの葉のことで、葉の表はつやがありますが裏面は粉をふいて白っぽいのが特徴で「裏白」という名前の由来にもなっています。
しめ飾りに使われる由来には、「裏が白い」ということから「共に白髪が生えるまで」という説があったり、「誠実、清廉潔白を象徴する」といった意味があったりします。
・『柊(ひいらぎ)』
葉の刺は、鬼の目突きとも言われており、邪気の侵入を防ぐとされます。
・『馬酔木(あせび)』
疫病除け、邪気退散として使われます。
・海老
海老のように腰が曲がるまで長生きするようにという願いが込められてます。
・昆布
喜ぶという語呂合わせから。
お正月のしめ飾りの飾り方は?
しめ飾りにはいくつか種類があります。
それによって飾り方も変ってきます。
・大根注連(だいこんじめ)
大根のように一方が太く、もう一方に向けて次第に細くなるしめ縄。
縄を太く短くし、藁を垂れないしめ縄です。
神棚に飾る際には向かって右に太い方、左に細い方が来るようにし、紙垂を四垂はさみしめ縄にたらします。
・牛蒡注連(ごぼうじめ)
大根注連の細めのもので牛蒡の様に細長く、堅くくくったしめ縄。
片側が太く、片側は細くなっています。
神棚に飾る時は紙垂をつけて飾ります。
しめ縄のワラのねじれの事を「綯い(ない)」というのですが、普段使いでは時計回りである「右綯い」で使いますが、お正月には特別に反時計回りの「左綯い」になります。
また向きは地域によって変ってきますが、関東以北では太い方が向かって右になるように飾るのが一般的です。
・牛蒡注連+前垂れ
牛蒡注連に前垂れ(わら)をつけたもの。
西日本でよく見られます。
玄関先に飾られます。
紙垂や裏白、譲葉、橙が加わります
一般的には牛蒡注連の太い方が向かって右になりますが、伊勢神宮がある三重県の伊勢地方では向きが逆になり、また飾る期間も一年を通して飾られます。
・玉飾り
太いしめ縄を輪にしたものに前垂れがついたもの。
東日本でよく見られます。
玄関先向きのもので、紙垂や裏白、譲葉、橙、海老、など色々な縁起物で装飾されたしめ飾りです。
・輪飾り
細いしめ縄を輪にしたもの。
紙垂や譲葉をつけた小型のしめ飾り。
キッチンやトイレなどの水回りや部屋に飾ったり、門松と組み合わせて飾られたりします。
玄関に飾る場合は玄関の正面に飾ります。
お正月のしめ飾りを飾る期間は?
いつから飾るのか?
すす払いが終わって、歳神様をお迎えするのに正月事始めとされる12月13日以降から12月28日までに飾りましょう。
12月29日は「二重苦」となって縁起が悪く、また月末の「9」が付く日で「苦が待つ」ともなり避けられます。
30日は昔の暦の晦日(みそか)、31日は現在の大晦日にあたり、月の最後の日となるので、その日に飾ると「一夜飾り」となります。
「一夜飾り」は歳神様を迎えるのに失礼とされ、また葬儀の飾りが一夜飾りなので縁起もよくないとされ避けられます。
また28日は八が末広がりで縁起がよいとされています。
なので13日から28日の間に飾るのがいいでしょう。
いつまで飾るのか?
お正月に歳神様をお迎えし、『松の内』が過ぎたらはずしましょう。
『松の内』は関東と関西で違います。
関東では1月7日とされ、関西では1月15日となっています。
これに関しては住んでる地域などによって決めればよいでしょう。
そしてはずしたしめ飾りは、小正月である1月15日に神社などでされる「左義長」「どんど焼き」と呼ばれる火祭りの行事に持って行き、お焚き上げしてもらいましょう。
しめ飾りや他の正月飾り、書き初めなども一緒にお焚き上げしてもらいます。
まとめ
しめ縄、しめ飾りについての由来や意味、また色んな種類についてや飾り方などをご紹介しました。
お正月にしめ縄、しめ飾りを見かけたら、今までとは少し違う見方ができるのではないでしょうか?
また、実際に家の中や玄関、車などに飾ってみる時の参考になればと思います。
日本古来から続く風習、文化にはたくさんの意味や願いが込められていることが多いのですね。