大切な雛人形をしまう時の参考になれば幸いです。雛人形を片付ける際のポイントは防虫剤による虫への対策です。
しっかり防虫対策をしていないとせっかくのひな人形の衣装が虫に食べられて穴があいてしまったりもします。
ここでは防虫剤の使い方をご紹介していきましょう。
また普段使っている衣服用の防虫剤でも使えるのか?
おすすめの防虫剤についても紹介していきます。
Table of Contents
雛人形の防虫剤の使い方
雛人形の保管には防虫剤も必要ですが、お手入れをしっかりしておくことも大事な防虫対策になります。
ホコリなどは虫やダニの好物なので、しっかりホコリを落としてくことが予防になります!!
雛人形のお手入れの仕方
①雛人形は飾る時もしまう時もお顔や金具には直接触らないように気をつけましょう。
②薄手の手袋などを使って大切に扱うとお顔の汚れや金具のサビも防ぐことができます。
③ホコリを落とすときは羽根バタキやきれいな筆、綿棒などで軽くほこりをはらうようにします。
屏風や小物類の片付け方
次に人形が手に持つ小物やお道具類、屏風などをしまう時の片付け方を見ていきましょう。
①薄手の手袋を着用し、やわらかい布や筆などでしっがりとホコリを落としましょう
②屏風などは風通しの良い場所で湿気をとってから箱に入れます。
スチール製やプラスチック製のお道具類などは防虫剤は入れなくてもよいです。
③ぼんぼりや桜橘のお花、絹糸を使っている扇子や烏帽子などの小物は防虫剤が必要です。
屏風も布製であれば防虫剤を入れる対象になります。
雛人形の片付け方
①良く晴れた日に一度外気にあて湿気を取ります。
②ホコリなどを羽根バタキで軽くはらいます。
③やわらかい薄紙で雛人形のお顔を覆うように包みます。
その際に髪にひっかけないように注意しましょう!
④袖や襟はふくらみをつぶさないように薄い紙を中に入れておきます。
⑤箱に入れます。入れる時は箱と人形の隙間にやわらかい紙を詰めましょう。
その際に、防虫剤を中に入れます。
⑥雛人形を入れた箱は直射日光が当たらない風通しがよく湿気のないところに収納しましょう。
押し入れの上段などの高い場所がおすすめです。
以上ですが最後の『直射日光があたらない風通しが良く湿気のない所』が案外大事なのです。
虫は高温多湿の場所を好むのでできるだけ保管する場所がそうならないように注意しましょう。
保管する予定の場所を、ひな人形をしまう前にしっかり掃除をして風通しとよくしておくだけでも湿気は少なくなります。
また除湿剤を置いたりして定期的にチェックしたりすることも対策になるでしょう。
防虫剤の使い方
・入れる量
・入れすぎないように注意する
・毎年同じ防虫剤を使用する
箱の隅に直接人形や装飾品に触れないように入れる
人形に防虫剤が触れてしまうと変色してしまう場合があります。
なので箱の隅っこに入れたり、人形から離れた場所に入れるなど正しい使い方をしましょう。
使用量の目安
市販の人形用の防虫剤は裏面に「○○リットルに1個使用してください」と使い方が明記されています。
これを使い方の目安にして防虫剤の量を調節しますが、○○リットルがどのくらいの容積なのかがいまいちわかりにくいところです。
そこで目安にするのは「みかんが入ったの段ボール」
これがだいたい「40リットル」くらいです。これを目安にして防虫剤の量を調節しましょう。
入れすぎないように注意する
大切な雛人形なので、ついついたくさん防虫剤を入れてしまいそうですが、入れ過ぎには注意が必要です。
気密性が高い箱にたくさん防虫剤を入れた場合、部屋の温度変化が激しくなると一度気化した防虫剤が氷砂糖のような固まりになることがあります。
そしてその固まりが雛人形に付着することもあるので注意しましょう。
もし付着した場合は、無理に取らずに雛人形を風通しの良い場所に少し置いておきましょう。自然に気化しシミにならずにすみます。
毎年同じ防虫剤を使用する
雛人形用の防虫剤でも使い方に注意しなければいけないことがあります。
別の種類の防虫剤同士をを混ぜて使用しないことです。
人形保存用に市販されている防虫剤にはいくつかの種類と性質があります。
間違った組み合わせで使ってしまうと防虫剤が液体になってしまいひな人形に油状の丸いシミがについてしまう場合があります。
防虫剤の種類
◇ピレスロイド系(エムペントリン)
・無臭
・濃度が高い場合にまれに銅に反応
・他の種類と併用できる
◇樟脳
・匂いあり
・プラスチックと反応する可能性がある
・金糸、銀糸、金箔には直接触れないように注意が必要
・ピレスロイド系以外との併用は不可
◇ナフタリン
・匂いあり
・塩化ビニール製品、金糸、銀糸、ラメには使用できない
・ピレスロイド系以外との併用は不可
◇パラジクロルベンゼン
・匂いあり
・塩化ビニール製品、スチロール製品、金糸、銀糸、ラメ、には使用不可
・プラスチックのお道具には使用不可
・ピレスロイド系以外との併用は不可
「樟脳」「ナフタリン」「パラジクロルベンゼン」などの薬剤を使っている製品同士を併用してしまうと、防虫剤が溶けてしまいせっかくの雛人形にシミができる場合があるので使い方には注意が必要です。
無臭タイプの「ピレスロイド系」の薬剤は他の防虫剤と併用しても問題ありません。
例えば
昨年使った防虫剤がナフタリン系のものだったとします。
そして今シーズンに樟脳もしくはパラジクロルベンゼンを入れた場合、昨年のナフタリンの成分や臭気がまだ雛人形の着物に残っていたら反応してしまうことがあるのです。
去年使った防虫剤が何なのか分からない!?
防虫剤を入れようとした時に去年入れた防虫剤がどの成分か分からないこともあるかもしれません。
新しい防虫剤を入れる前に雛人形と箱を風通しの良い場所に少し置いておきましょう。
人形の衝撃用の紙を取り替えて、新しい防虫剤を入れます。
その際、裏面の使い方の欄などに「他の製剤と一緒に使用できます」との表示のある防虫剤を選ぶのがよいです。
ピレスロイド系のものだと比較的安心です。
雛人形に使う防虫剤は衣服用でも良いの?
お人形用の防虫剤はないけど、衣服用のものならあるという方もおられるかもしれません。
しかし、衣服用のものは使わず必ず雛人形用のものを使用しましょう。
防虫剤使用の注意点
先ほども記したように防虫剤には色々種類があり、それぞれ用途別に使われます。
衣服用と雛人形用では使われている種類も違えば、使用量も変わってきます。
例えば衣類用の防虫剤には「パラジクロルベンゼン」や「ナフタリン」が使われていますが、それらを併用してしまうと反応してしまうことがあります。
また成分によっては人形の素材と反応して変色してしうまう場合もあります。
混合した使い方や変色を避けるためにも、衣服用と雛人形用の防虫剤は分けて使うようにしましょう。
雛人形に使う防虫剤のおすすめは?
◇樟脳
◇ナフタリン
◇パラジクロルベンゼン
ひな人形用の防虫剤もたくさんあるので迷うところですが、どの防虫剤も長所・短所のようなものがあります。
先ほども触れましたが、『樟脳』『ナフタリン』『パラジクロルベンゼン』は混ざってしまうとシミの原因になったり合成樹脂を溶かしたりする恐れがあるので併用することはできません。
しかし、それを知らずにこの中のどれか1つを使っていたとするなら、翌年も雛人形をしまうときには同じ防虫剤を使うようにしましょう。
でも、1年もたてば以前にどれを使っていたか……なんて忘れちゃうものです。
その中でおすすめしたいのは、『ピレスロイド系』の防虫剤です。
『ピレスロイド系』のものは他の雛人形の防虫剤と併用しても問題がないのです。
そしてもう1つのメリットは……
「無臭」ということです。
他の3つは匂いがありますが、ピレスロイド系のものは無臭なのです。
市販されている雛人形用の防虫剤でよく見かける「ニオイの付かない防虫剤」的なものにはこの『ピレスロイド系』のものになります。
しかし『ピレスロイド系』のものにも弱点があります。
それは「金糸、銀糸、金箔を変色させる」ことがあるということです。
そうなってくると、どれも選べない……となってしまいます。
しかし!その中でおすすめしたい防虫剤が同じ『ピレスロイド系』の中から『エムペントリン』という成分の防虫剤です。
『エムペントリン』は濃度が高い場合にまれに銅に反応することはありますが、金糸や金箔を変色させません。
そしてピレスロイド系なので無臭であり雛人形にニオイを移す心配もないのです。
なので雛人形に使う防虫剤のおすすめはピレスロイド系の『エムペントリン』のものになります。
「雛人形の防虫剤の使い方!衣服用は使える?おすすめは?」のまとめ
雛人形を片付ける際に入れる防虫剤の使い方は、直接人形に触れないように注意しながら、箱の隅や雛人形から離れた場所に入れます。
衣服用の防虫剤は使わずに、雛人形用の防虫剤を使いましょう。
また違う種類の防虫剤の併用はシミの原因になってしまう場合があるので避けましょう。
おすすめするのはピレスロイド系のエムペントリンが成分のものです。
市販されている雛人形用の防虫剤には比較的よく使われていますが、裏面などで確認してみてください。
関連記事