「旧暦」や「新暦」って言葉を聞いたことってありますよね?
「古い暦(こよみ)」と「新しい暦」
ってことくらいは分かるかと思いますが、
「どんな違いがあるのか?」
については知らないって人も多いかと思います。
今回は「旧暦」と「新暦」の違いについて詳しくかつ分かりやすく紹介していきます。
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旧暦と新暦の意味とは?
「旧暦と新暦」とは字の通り「古い暦(こよみ)と新しい暦」のことです。
暦とは分かりやすく言えば「カレンダー」のことです。
昔と今では一般的に使われている暦が違うのです。
日本で暦が変わったのは1872年(明治5年)のことになります。
それまでは、現在のカレンダーではなく旧暦が使われていました。
旧暦とは?
旧暦で使われていた暦のことを「太陰太陽暦(たいいんたいようれき)」といいます。
漢字ばかりで、難しいそうに思えますが「太陰」とは夜空に浮かぶ「月」のことです。
つまり「月と太陽をもとに作られた暦」ということですね。
ちょっと分かりやすくなったでしょ?w
太陰太陽暦とは?
太陰太陽暦を簡単に言うと「月の満ち欠け」と「太陽の動き」を組み合わせた暦です。
月の満ち欠けによって1ヶ月が決まるので、それが12回繰り返されて1年は354日になります。
現在の1年365日と比べると11日も足りません。
そのまま進むとどんどん季節感がズレていきますよね?
それを補うために約3年に1度の割合で「閏月(うるうづき)」が加えられ、1年を13ヶ月にすることで季節のズレが調整されていました。
太陰太陽暦についてさらに詳しくはこちらから
⇒太陰太陽暦とは?わかりやすく解説~日本の旧暦の歴史も紹介!
旧暦での1年は?
季節は「春夏秋冬」とありますよね。
旧暦ではその「春夏秋冬」という順番のまま1年が過ぎていきます。
つまり1年の始まりである「1月」が「春」となるのです。
<旧暦での四季>
春:1月・2月・3月
夏:4月・5月・6月
秋:7月・8月・9月
冬:10月・11月・12月
現在の季節感とはだいぶ異なりますね。
8月が「秋」なんて今では考えられません!!(笑)
旧暦での日付の決め方
旧暦では「月の満ち欠け」によって日付を決めていました。
毎月の始まりは新月(しんげつ)の日とされました。
新月とは満月の真逆で月が全く見えなくなる状態です。
新月の日を毎月1日(ついたち)としたのです。
そこからの満ち欠けによって1ヶ月が決まるのです。
新月から三日月、満月となり再び新月になれば翌月の始まりということですね。
ちなみに、三日月は新月から数えて3日目の月だから「三日月」といいます。
新暦とは?
新暦とはみんなが今現在使ってるおなじみの暦です。
太陽の動きをもとに作られているので「太陽暦」といいます。
慣れ親しんだカレンダー通りの暦で1年は365日ですね。
そして、4年に1度の閏年(うるうどし)があるものです。
新暦での四季
新暦での四季は言うまでもありませんが
春:3月・4月・5月
夏:6月・7月・8月
秋:9月・10月・11月
冬:12月・1月・2月
ですよね。
最近は異常気象などによって9月でも夏のように暑かったり、3月でも寒かったりとありますが、だいたいこのように分けられますね。
旧暦の四季と比べてみるとだいぶズレがあることに気がついたかと思います。
次の章ではこの「旧暦と新暦のズレ」について解説していきます。
旧暦と新暦のズレについて
例えば「五月晴れ(さつきばれ)」と言えば梅雨の合間の晴れのことを意味し、「五月雨(さみだれ)」と言えば梅雨のことを表わします。
どちらも梅雨の時期に使われる表現なのに「五月」という言葉がついているのにちょっとした違和感を感じます。
実は旧暦での「五月」というのは現在でいうところの5月下旬から7月上旬にあたるのです。
まさに梅雨の時期にぴったりとあてはまりますよね。
このように旧暦と新暦には約1ヶ月~2ヶ月ほどのズレがあります。
どうしてこんな違いがあるのかというと……。
いくつかのことが原因となっています。
旧暦から新暦への切り替え
旧暦から新暦へと変わったのは明治時代です。
1872年(明治5年)に改暦が行われて、それまで使っていた暦を「旧暦」、改暦後の暦を「新暦」と呼ぶようになりました。
旧暦と新暦の季節感の違いやズレの原因となったのはその日付です。
旧暦の1872年(明治5年)12月2日で旧暦が終わり、12月3日から新暦の1月1日が始まります。
旧暦の1872年(明治5年)12月3日が新暦の1873年(明治6年)1月1日となるのです。
■旧暦1872年12月3日=新暦1873年1月1日
※細かく言えば旧暦12月3日は存在しないので、12月3日とするのはおかしいですが分かりやすくするためにここでは12月3日とします。
なんと1872年(明治5年)の12月は2日間しかなっかったのです!
短っ!
この年の1年は327日で終わっているのです!
ちなみになんですけど、改暦がなかったとしたら……、
この1872年の12月は31日ではなく30日までの「小の月」でした。
なので……、
本来の年明けを迎えるよりも28日も早く新年が始まったのです。
年末といえば新年を迎えるにあたっていろいろと忙しい時期ですよね?
12月(師走)の時期が少なかったので……と言うよりは、もうほとんどなかったので当時の人達はかなり焦ったでしょう!
すぐにやってくる正月準備や年中行事など大変だったと思います。
えっと、話を戻します……ww
この消えてしまった12月の28日間がその後の旧暦と新暦とのズレの1つの原因となってしまったのです。
でも、厳密に言えばなんですが…
旧暦から太陽暦に改暦されたのが旧暦の1月1日という、キリの良い日であったとしてもこのズレはおこるんですよね…。
どういうことかというと…
仮に旧暦1873年(明治6)1月1日に改暦されていたとしたとします。
でもその日は新暦に置き換えれば1873年(明治6)1月29日となります。
ズレはやはり28日できてしまいます。
旧暦の1月1日を新暦の1月1日にしたら?
って思うかもしれませんが、そんなことをしたら世界各国の暦とズレができてしまいます。
つまり旧暦と新暦との間には改暦の日付にかかわらず「28日間のズレ」があったんですね。
これは太陰太陽暦を使い続けてきたことによるズレなんです。
ではなぜ12月の初旬のタイミングで旧暦から新暦へと変わったのか?
これには少しおもしろい理由が見えてきます。
なぜ旧暦から新暦に?
当時の日本は海外との交流も活発になっていました。
欧米諸国は太陽暦である「グレゴリオ暦」を使っています。
■欧米人との交渉
■江戸時代末期に交わされた不平等条約の改正などの会議
これらを行う場合にも統一した「暦」がないと不便ですよね。
そこで世界標準のような欧米諸国の暦である「太陽暦」に改暦したとも言われています。
が!これにはもう1つの理由が!
改暦は給料をケチりたかったから!?
もし改暦されていなかったら……。
なんと新しく迎える1973年(明治6)は先ほど紹介した閏月(うるうづき)が入る年にあたりました。
4月、5月、6月、閏6月、7月、8月………
というように、6月のあとに閏6月が入れられて6月が2回来る予定だったのです。
これがけっこう問題だったのです!
どういうことかというと……?
当時、役人への報酬が年俸制から給料制に変わったばかりでした。
そのままいけば、その年は閏月があるために給料を13ヶ月分払うことになります。
当時の政府の財政状況は追い詰められて余裕がなかったそうです……。
そこで、当時の財政の責任者だった大隈重信はあることに気づきます!!
<年が変わる前の12月の初旬に改暦すると?>
■12月は2日間で終わって翌年の1月へと変わる
⇒ということは12月分の給料を支給しなくてすむ!
■さらに新暦に変われば旧暦の閏6月がなくなる
⇒つまり閏6月分の給料を支給せずにすむ!
このように12月初旬に改暦をすることで実質2ヶ月分の給料を支払わずにすんだのです。
これは大隈重信がのちに語っているので本当なのでしょう。
旧暦から新暦への改暦は「財政ピンチを切り抜けること」と「近代化の仲間入りをする」という一石二鳥の策だったようです。
旧暦と新暦の季節感のズレ
新暦では2月以外の月は「31日間」もしくは「30日間」です。
2月は「28日間」で4年に1度「29日間」になります。
これは変わることはありませんよね?
つまり、何年たっても4月は「春」だし、8月は「夏」です。
しかし、旧暦ではそういうわけではありませんでした。
先ほども説明しましたが、旧暦に使われていた太陰太陽暦は1年が354日でした。
そのために、翌年になれば11日間のズレが生まれていました。
そのズレを補正するために「閏月」を足して調節されていましたが、「うるう月」が足されるのは約3年に1度でした。
1年:11日 2年:22日 3年:33日
3年経てば11日×3年で33日のズレ、つまり約1ヶ月ほどのズレになったのです。
このように「改暦されたタイミングで生じる28日のズレ」と「太陰太陽暦でのズレ」が合わさって、新暦と旧暦の間には約1ヶ月~2ヶ月ほどのズレがうまれたのです。
閏月についてさらに詳しくはこちらから
⇒旧暦の閏月の意味や決め方!二十四節気との関係をわかりやすく解説!
旧暦を新暦に置き換えたら?
例えば1月に関していえば現在の暦に置き換えた時に
■1月後半~2月後半
■2月初旬~3月初旬
■2月中旬~3月下旬
とその年々によってけっこうな季節のズレがみられるのです。
同じ「1月」であってもこんなにも時期のパターンがあるんですよ。
まさに1ヶ月~2ヶ月ほどのズレとなりますね。
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