春分の日とはいったいどんな日?
祝日なのは知ってるけど、どんな意味があるのかやどうやって決められるのかについては知らない方もおられると思います。
またその年々によって春分の日が変わるのはなぜ?
といった「春分の日」に関する疑問の答えをわかりやすく紹介していきます。
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春分の日とは
「春分の日」とは国民の祝日の1つです。
学生の方達にとっては春休み直前だったり、春休みに入りたてくらいの時期でしょう。
ところで、春分の日の趣旨って知ってますか?
「そんなのあるの?」って感じかもしれませんがなんと法律にも記載されているんです!
「自然をたたえ、生物をいつくしむ」
これが春分の日の趣旨として『国民の祝日に関する法律』(祝日法)に記載されているのです。
そもそも祝日に趣旨があったなんて知らなかったですよね?
春分の日の意味って?
季節の節目となる「春分の日」
この「春分」というのはなんでしょうか?
古代中国で暦の中で季節を分ける目安として作られたものに『二十四節気』や『七十二候』というものがあります。
『春分』とはその二十四節気のひとつで、「春の真ん中」とされています。
「昼と夜の長さがほぼ等しくなる日」とされており、この日を境に同じく二十四節気のひとつである「夏至」の日まで昼間の時間がどんどん長くなっていきます。
「昼と夜の長さがほぼ等しくなる」ということで、厳密に言えば昼の長さの方が14分ほど長くなります。
「二十四節気」にもおもしろい仕組みがあります。
話がそれますが「気候」という言葉は二十四節気の「気」とさらに細かい季節に分かれた「七十二候」の「候」から出来ています。
二十四節気などについて詳しく知りたいかたは良ければこちらの記事も参考にしてみて下さい!
春分の日の決め方は?
春分の日って「○月○日」って決まってないのをご存じですか?
他の国民の祝日は毎年月日が決まっています。
「成人の日」や「海の日」のように○月の第2月曜日と毎年「日」が変わる祝日はたくさんありますが、それでも毎年それは変わることはありません。
しかし、『春分の日』と『秋分の日』に関しては○月○日とは決まっていません。
なぜなんでしょうか?
春分の日が決まるのは前年!?
毎年2月の最初の平日に発行される官報(国が出す新聞)の中にある「暦要項」の中に国立天文台が翌年の『春分の日』の日付を掲載することによって正式決定されます。
例えば2021年の2月1日の官報には2022年の「春分の日」が記された暦要項が掲載されているということです。
春分の日は”春分日”で決まる
実は『春分の日』とは祝日法で”春分日”と決められています。
「春分日」は毎年必ず同じ日になるとは限りません。
なので『春分の日』の正確な月日が決められていないのです。
春分日とは?
春分日とは太陽が春分点を通る日のことをいいます。春分点とは黄道と天の赤道が交わる2カ所のうちの1点です。
少し分かりにくいと思うので図で解説しましょう。
これは天球をイメージしたものです。
天球というのは地球から見た空を「大きな球体」とみなしたものです。
真ん中にあるのが地球ですね。
地球から見ると太陽はこの天球を一年かけて一周しているように見えます。
この天球上での太陽の通り道のことを黄道といいます。
そして、地球の赤道を天球まで延ばして天球上に交わった大きな円を『天の赤道』と言います。
この天球上で太陽が移動する黄道に注目して見て下さい!
「黄道」と「天の赤道」が交わる点が2カ所ありますよね。
これらが「春分点」と「秋分点」となります。
そのうち太陽が黄道を南側から北側へ移動した時に、天の赤道と交わる点が『春分点』となります。
春分点は黄経0度、赤経0時になります。
ちなみに、太陽が秋分点にくる日が『秋分の日』、夏至点にくる日が『夏至の日』、冬至点に来る日が『冬至の日』となります。
そして、太陽が「春分」を通る時間が毎年変わるので事前に『春分の日』を決めることができないということなのです。
とは、言っても実は計算で分かるのです。
え? どういうこと?
次で説明しましょう!
春分の日はexcel計算式でわかる!?
基本的に春分の日は3月20日か21日のどちらかになります。
ただ、上記のような手続きを経て発表されるので正式な『春分の日』というのは翌年分しか分かりません。
しかし、それ以降の春分日も天文学では計算できるんです。
以下にExcelで日付を求める計算式を紹介しておきます。
春分の日をexcelで!
「式の意味がわからん!」
「INTってなんや?」
…と方も多いと思います。
僕もそうです。(笑)
ぜひExcelに打ち込んでExcelさんに計算してもらって下さいw
以下にどうやって計算するかの図と例を載せておくので参考にして下さい。
①A2セルを選択
②数式バーに「=DATE(A1,3,INT(20.8431+0.242194*(A1-1980))-INT((A1-1980)/4))」と入力。
「 」内をコピペして下さい。
③A1セルに知りたい年代を入力
④A2セルにA1セルの年の春分の日が出てきます。
例では2021年の春分の日が3月20日となっています。
この「年」のところに知りたい年を入れて計算すれば未来の「春分の日」を求めることができます。
ただし、この式が成り立つのは1980年~2099年までとなってるのでそれより前やそれより先を知りたい方はご注意を!
春分の日がその年で変わるのはなぜ?
春分の日がなぜ3月20日だったり、3月21日になったりするのでしょうか?
ここでは春分の日がその年によって変わる不思議についてわかりやすく解説していきましょう。
一年は365日じゃない?
そもそも一年とはどうやって決まっているのでしょうか?
簡単に言えば1年は地球が太陽の周りを一周する「公転周期」の時間で決まります。
1年が365日というのはみんなが知っていることだとおもいます。
つまり、地球が一周するのにかかる時間が365日ということになります。
…が、正確にはもうちょっとかかっているのです。
平均365.24219日になるんです。
365日と6時間弱といったところです。
春分点を通過して、再度春分点を通過するまでにかかる時間が365日と約6時間ということです。
つまり、毎年約6時間の誤差が出てくるのです。
これってけっこうな誤差があるような気がします。
春分の瞬間の誤差がたまる!
近年のある年での春分点を通過した瞬間を見てみましょう。
2016年:3月20日13時30分
2017年:3月20日19時29分
2018年:3月21日01時15分
何か気づきましたか!?
2016年の春分の時間から2017年では約6時間遅くなっています。
さらに2017年から2018年の春分の時間も約6時間遅くなっています。
このように毎年約6時間ずつ春分の瞬間は遅くなっていくのです。
このために、20日になったり21日になったりするのです。
「このままどんどん遅くなって3月24日とかにならないの?」
といった疑問がわくところですが、実際そうはなりません!(笑)
約6時間の誤差はうるう年で調整
ちなみに2018年以降の春分点も見てみましょう。
2018年:3月21日01時15分
2019年:3月21日06時58分
2020年:3月20日12時50分
2018年から2019年はやはり約6時間遅くなっています。
しかし2019年から2020年を見て下さい。
約6時間遅くなっていますが、日付が21日から20日へとなっています。
2020年は「うるう年」で1年が366日ありますよね。
春分の日が訪れる前の2月に「29日」という「うるう日」が足されたために春分点が約6時間遅くなりつつも1日早い日付になったのです。
時間を見てみると4年前の2016年の春分時刻が3月20日13時30分なのでかなり近くなりましたよね。
2016年:3月20日13時30分
2020年:3月20日12時50分
1年の長さ
はより正確に言えば365日と5時間48分45秒ほどとなります。
きっちり6時間ではないのでうるう年が入っても4年後に全く同じ時刻になることはありません。
これらのことが『春分の日』がその年その年で変わる理由となっています。
「春分の日とは?意味や決め方について!その年で変わるのはなぜ?」のまとめ
春分の日について色々と紹介しました。
知れば知るほどおもしろい暦の仕組み。
他にもいろんな暦についての仕組みを記事にしているので興味があればぜひご覧下さい!
⇒旧暦の閏月の意味や決め方!二十四節気との関係をわかりやすく解説!
⇒太陰太陽暦とは?わかりやすく解説~日本の旧暦の歴史も紹介!
⇒太陰暦の意味をわかりやすく解説!一年の決め方や純粋太陰暦って?
⇒旧暦と新暦の意味とは?違いやズレはなぜ?どうして暦は変わったの?
暦について興味がある方の参考になれば幸いです。